圭汰が余程恐かったのか、望未ちゃんのいじめは、あの日以来、ぱたりとなくなった。
そのため、以前よりは大分穏やかな日々を過ごせていると思う。
しかし、私は、灯に中々別れを切り出せずにいた。
「冬穂、冬穂。ここ、どうやって解くの?」
「えっとねー・・・」
今日は、別れ話を切り出そう。今日こそは、別れを告げよう。
そう思ったまま、結局、二学期も終盤に差しかかっていた。
今は、図書室で、灯と期末テストの勉強をしている所。
この部屋はあまり人がいなくて、静かだから、別れ話をしやすいかもしれない。
最近は、どこへ行くにも、そんなことばかり考えてしまっている。