そんな自分に苦しむことは、圭汰と一緒になると決めた時から、覚悟していた。

けれど、灯のことだけは、傷つけたくない。

だから、早く別れないといけない。
早く別れないと、いけないのに。



そうやって、ぐずぐずしているから、気づけなかったんだ。

視聴覚室のドアが、少し開いていたことにも。
そこから望未ちゃんが、こちらを覗いていたことにも。

何にも。