完全になめた言い回しに少々イラつきを覚えたが、意地悪な笑みに、何故かドキッとした。

「・・・やってみせます。絶対、首席入学しますからね!」
「あっそ。・・・じゃあまあ、体育館まで行くか」
「送ってくれるんですか!?」
「放っておいたら、どうなるか分かったもんじゃないからな。ちゃんとついて来いよ」
「やった!」


冷たいようで、優しい。

圭汰は、そんな人だった。
瞳の奥に、常に温かい光を持っていた。


体育館に着くまでずっと、私達は他愛のない話をしていた。

家族構成とか友人の話とかをしている中で、少しずつ明らかになる圭汰の性格に、胸の高鳴りが増していくのを感じていた。