「ふう・・・わっ、びっくりした」
「・・・・いた、人」
よく見る煙草の箱を手に、中から出てきた人が、圭汰だった。
事情を話すと、圭汰は大爆笑し、私をからかった。
「馬鹿か、お前。体育館は反対方向だよ。パンフレット見なかったのか」
体験授業の時教えてくれた人だということは、圭汰を見てすぐ気づいたけれど、こんなに上から目線の人だとは思っていなかったから、少し驚いてしまう。
「見ましたよ!そしたら、ここに着いたんです」
「いやいやいや。・・こんな馬鹿がうちの学校受けるとか、ちゃんと自分のレベル分かってる?」
「っ!・・・それ、生徒を呼び込まなくちゃいけない、教師が言います?」