その頃も料理は好きだったけれど、灯のはもちろん、自分のお弁当すら作っていなかった。
まだその頃は、学校の食堂を利用していたからだ。
あの食堂には、思い入れが沢山詰まっている。
岡本圭汰。
当時、私が付き合っていた彼氏。
私より八つ年上で、賢くて大人で、その全てが、私より遥かに勝っている人だった。
そんな彼を、私はとても尊敬していて、心から愛していた。
・・・だけど彼は、教師、だったんだ。
そして、圭汰との恋は、夢みたいに幸せで、夢みたいに残酷な恋だった。
初めて圭汰に出会ったのは、高校の体験入学の時。