6年生になった夏のコンクール。
そのコンクールで女の審査員の人に
「あなたの音は耳障りだ。」
と言って私のことをひと睨みして
私の横をコツコツとヒールを鳴らして
去っていった。
それがきっかけでピアノは弾いても
自分の音が不協和音にしか聞こえなくて
気がつくとピアノから離れていた。
あんなに毎日弾いてたのに
気がつくと週4…週2…2週間に1回…
となって行って半年立つと
ほぼ触らなくなって母に
「もう、辞めようか。疲れたよね。
またやりたくなったらやろう。」
って一言そう言われて決心がついて
ピアノを辞めた。
それからはたまに、気が向いた時とかに
ピアノに触って弾くんだけど
やっぱり嫌な音、ダメな音にしか
聞こえなくて苦しくなって
一曲弾き終わらないうちに
鍵盤にバンっ!って当たってしまって
涙が出て鍵盤を見ていられなくて
そこでしまう。
母はそんな私を見て
いつも私の部屋のピアノを
捨てようとするけど
それを私がいつも泣いて止める。
完全に辞めたくないなくしたくない
と思うと、捨てれられない。
でも、また傷つくのが怖くて
出来ない。いや、やらないんだ。
逃げてるだけだった。