そして、メイク室を出ると
クラスメイトの視線が
一気にこちらを向いた。
そして、少しフリーズして
「「「「誰!?」」」」と言った。
いつも地味男で目立たないやつだから
その延長線上だと思って俺はスルーすると
坂内さんは大きな声で
「松田 魁斗くんでーす!」と言った
するとクラスメイトは
「は!?えっ!?あの地味男!?まっさか〜」
とか「嘘にも程があるよ〜」
なんて言ったけど
坂内さんは負けずに
「ホントだし!というかみんな松田君の顔
ちゃんと見たことないくせに
よく違うとか言えるよね!」
って目の奥は怒っているのに
あくまで冗談っぽく笑いながら言った。
みんなはそんな彼女の表情を
見たことないからなのか分からないけど
すぐに彼女の言葉をしんじて
「嘘…!?こんなに整ってたなんて!?」
とかみんな口々に言った。
その後、公開時間まで
今まで色々言ってたヤツは
軽ーく謝って
俺に沢山話しかけてきた。
女たちは近くいても離れていても
キャーみたいな黄色い声?っていうヤツ
うるさいほど言ってきて
男たちも俺に媚を売るような目で
興味津々に話しかけてきた。
俺はそれを見て
都合のいい奴らだなって思った。
だからといって文化祭直前に
そんなことを言って
クラスの雰囲気を悪くしても
しょうがないので耐えて
後で春樹に全部言おうと思った。