「…くそー。……ぎゃああ!!ご、ごめん栞!!!」



「へ、へーき」





あ"ー。死ぬかと思った。



三途の川が一瞬ちらついて、小さいときに亡くなったひいおばあちゃんが上流から流れてきた桃を網ですくいあげてるのが見えたよ。 桃の中は桃太郎か、今さっき亡くなった人のどっちかだろうね。となると、ひいおばあちゃんは川の番人…?!





「栞ー!戻ってきてー!」



「え?あ、ごめんごめん」





慌てて凛の方を見たら、シーンと一瞬だけ静かになったと思ったら、誰かが「ぷはっ!」と吹き出した。



どうやら、またあたしの心の声はだだ漏れだったらしい。



それを合図に、ヤンキーズ全員が大爆笑し始めた。ミルクティーくんもちょっと笑ってるよ。






「ひいー!腹いてーよ!!はははは!!」





お腹を押さえながらソファーで笑い転がる朋稀くん。




「ひ、ひいばあちゃんが三途の川の番人って…ぷはっ!」




自分で復唱しといて笑ってる原田少年。





「せ、先輩!ちょー面白いっすね!」





可愛く笑う野球少年。彼はあたしより年下らしい。



そして、




「くくっ…」




笑いを堪えきれてない金髪王子。





「…笑うなら普通に笑ってよ」



「っはは!」





うわ、なんだコイツ。あたしの顔見て吹き出しやがったぞ。