私は一人でボーッとしていた…――



しばらくすると智君が走って戻ってきた。
                        
「ハァ…ハァ…皆に報告してきた…ハァ…」


『息あがりすぎ
おじさんやなぁ。アハハ』


「誰がじゃー!」


そう言うと智君は私をこちょばしてきた。


「いやー!ヤメテー!アハハ〜ご…ごめん‥なさぃ…アハハ」


ギュッ…――


こちょばすのをやめたと思ったら強く抱き締められた…



「大事に…するから…
元彼を無理に忘れろとは言わんし、ハル坊の父親って事は変わらんからふと思い出す事もあるかもしらん…
けど、これからは俺を見て欲しい…」



抱き寄せられた私には智君の心臓のドキドキが伝わった…


                        
この人を大切にしよう…―



『うん…』



「好きやで…」




そう言うと私達はキスをした…――






新たな私の人生が始まる…――




17歳の夏の終わりだった…―