淡々といい放つ類。

別にいいって……私だってその事で悩んだりしたのにどういう事だ。

そんな事を思って心の中で抗議しつつも、俺はお前に惚れてるけど、なんて慣れないことを言われて動揺している自分がいる。


「えっと……その……」


こういう時、ほんと何て言ったらいいのか分からない。

それに、類が私を好きとか……いまいちまだ信じられないというか。


「類、私なんかのどこがいいの？」


だから、ついそんな馬鹿なことを聞いてしまった。

私のその質問に、類は少し意外そうな顔をして──そして、クスっと笑って、言った。


「まぁ、俺の趣味が変わってるだけだから、気にするな」


そういってまたクスクス笑い出す類。

別に、私なんかに好きになってもらえるような所なんて無いことくらいわかってるけど、けど！


「ひどいよ類！もっとロマンチックな返しがあるでしょ！」


そういってムキになる私。

そして、いきなり優しく微笑む類。


「……？」


いきなり、類じゃないみたいな優しい顔をするものだから、びっくりしてしまう。