「いくら脅されてたといっても、私がみんなで働いて稼いだ大切なお店のお金に手を出そうとしたことに変わりはないです…」
「何言ってるの葉月ちゃん!あれは、全面的に俺が悪くて……!」
「でも、やったのは私ですから」
そうだよ。
私は、ただただ渚さんが怖くて…
あのときの私の行動があっているとは思えない。
多分私の今の状況は、渚さんと一緒だ。
どんな理由があったとしても、
やってしまったことが無いことになるわけじゃない。
やってしまったことはやってしまったことなのだ。
「葉月ちゃん……」
申し訳なさそうな顔をする渚さん。
私も、大将さんに申し訳なくなって、頭をさげた。
「葉月、顔をあげてくれ。
そんな風に考えないで欲しい。
お前は何も悪くない。全面的に悪いのは渚だ。
だから……もう一度戻ってくる気はないか?」
「………………!」