また、ごめんと呟く類に、私は何て言っていいか分からなかった。
違うのに。
本当に類は何も悪くないのに。
気づいてやれなかった……なんて。
私が何も言わなかったんだからあたりまえだよ。
そう思うのに、何故か思っていることが上手く口にできなくて、黙りこんでしまう。
再び訪れる沈黙。
いつもはどうってことない類との沈黙が、
こんなに苦しく感じる事は初めてだった。
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警察署に着き、私達は車から降りた。
署の人に類が話をして、
渚さんと面会することになった。
部屋で二人で少しだけ待つと、
やがて警察の人に手をひかれて、渚さんが現れた。
その姿をみて、息を飲んだ。