私と彼。関係は、恋人同士。

些細なことで喧嘩するし、些細なことで仲直りする。

「あれ、私のプリンは?冷蔵庫に入れといたはずなのに」

「…あー、あれマイの?」

「私のだよ!食べたでしょ!」

「ごめんごめん、腹減ってて、ちょ、叩くなよー!」

「やだ、もう。ヒロのばか!」

悪びれた様子のない彼の胸元を叩く。

私の腕を捕まえて、ごめん、と再び。その表情は笑っている。

もう、この笑顔に何度、ほだされたかな。

私の頬も自然と緩む。

「倍にして返してよね?」

私の言葉に頷く彼の、楽しげで穏やかな瞳が。

(好き。)