親戚同士の挨拶に飽きたあたしは式場の外の砂利道に絵を描いていた。
おとーさん
おかーさん
おねーちゃん
あたし
尖った石で次々描いていく。
まだ人はいずれ死ぬなんて解ってなかったあたしはおねーちゃんはもうすぐ帰ってくると思ってた。今は出かけたままでもうすぐいつもの笑顔で帰ってくるって思ってた。

「美里ちゃん、何してるの?」
お葬式なのにキレイな真っ白なワンピースにサラサラな黒髪がすごく映えていてすごくキレイな人だった。
真っ白なワンピースが真っ黒な服の中で浮いている。
「ヒマだからおえかきしてるの」
そう言うとお姉さんはにっこりしてこう言った。
「お姉ちゃんに会いたい?」
「別にいいや」
お姉さんはあたしがこう言った瞬間目を丸くしてまた聞いてきた。
「お姉ちゃん嫌い?」



「違うの、お姉ちゃん今寝てるから起きたら遊ぶの。いっぱいいっぱい!」
あたしが指差した先を見てお姉さんはまた笑顔に戻って言った。