綾さんのアシスタントという名目でシゲたちの会社に通い始めて一週間。


デザイナー、プログラマー、イラストレーターなどのカタカナ系職業の人たちが、確かに来たり来なかったり、チャットで話したりしていて、いつ誰が働いてるのかもよくわからない。


尚人くんは作業場で何か作ったりしてるし、仕事なのかどうかも謎だったりする。


綾さんは、そんなみなさんの雑用や事務を一手に引き受けているようだ。


綾さんのアシスタントとしては、調理補助や食材補充、簡単なデータ入力とかお使いとか。ちょこちょこ頼まれたことをやっていく形。


はっきり言ってたいして役に立ってないと思う。


前の潰れたバイト先ではとにかくみんな殺気立つように忙しくしてたから、この緩い雰囲気にどうも慣れない。


「何言ってるの、助かってるよ!やりたいことあったら空いた時間でやってくれていいし」


綾さんはそう言ってくれてるんだけど。やりたいことってなんだろう。尚人くんも「なんかやるかも」とか言ってたし、よくわからない人達だな、ほんと。


シゲは最初に言ってた通りなのか、いても別に関わることも少なく、話すこともあまりない。


ただ私が働くシゲを観察している感じになってる。