「それに、CDが相手会社に渡ったら、佐
野主任だけじゃなく、もっといっぱいの人に
迷惑かかるんだ。三島課長を始め、新商品
に携わったみんなに。もちろんオレも、美和
も関わってるひとりとして、そんなことにな
ったら、くやしいよ」
 公平が続けた。
 「ごめんなさい」
 私より大きいルミちゃんが小さく見えた。
 公平も言い過ぎたと思ったのか、すぐさま
 「でっでも、美和よりも、ルミちゃんの接客
受けてみたかったかな。」
 いつもの公平の照れながらの笑顔に、さっ
きまで、うつむいていたルミちゃんが顔を上
げた。
 「もう、ホントに・・・」
 この人達は、単純だ。
 「でも・・・CDは、長井って人に渡っちゃっ
たんでしょ」
 華やかな、ネオンの下で、私は溜息まじり