なつかしくて、キュンと胸がしてくる。
 
 せっかくの・・・感傷に浸るのも束の間。
次の駅でいっぱいの人が、どかどかと乗り込
んできて、すっぽり公平の腕の中に収まった
私は、人の波に押されて壁際に張り付いて
しまった。
満員電車の中で、公平は、私に体が触れな
いように、両手を壁について支えているけ
れど・・・
 さっきよりもっと近くに公平の顔がある。
170Cm公平の身長。その差10Cmの私達
 高校の時から、月日は流れても、きれいで
整った顔、それに加えて貫禄っていうか、今
は、あの頃より自信に溢れた顔。
こんな間近だと、どきどきしてしまう。
「ちょっと近づきすぎだよ」
 さっき、こけそうになって公平に受けとめ
られた力強い腕の感覚がまだ残っている。
 まともに顔見れなくて、視線落としてしま