ルミちゃんはそう言いながら、目を丸くし
て私達を見ていた。
 「あっあのルミちゃ・・・」
 この状況をどう簡潔に説明したらいいのか
焦っていると・・・
 今度は、強面の黒服の男に呼ばれた。
勝手に席を移動したこと、怒られると思った
のに、様子がおかしい。
 そこには、さっき私を指名したおじさんが
立っていた。
 おじさんは、上機嫌に私の腰に手を回して
きて、どこかに連れて行こうとしている。
 「えっ何?どこに行くの?」
 慌てて、黒服のボーイさんに尋ねたら、
 「この方が、あなたをお買い上げになりま
した」
 「お買い上げ・・・?」
 一瞬空白の時間が流れた後、すべてを理
解した。
 「えーっ!そういうお店なのここ?」