結構な値段がでてきた。
 それなのに、公平は、財布の中から1万円
札を取り出してテーブルの上に、バンと置い
た。
 「いいよ。公平。ちょっと接客すれば済む
ことだし」
 「あんな、エロおやじのところに行ったら
何されるかわからないだろ」
 なんだか軽はずみな行動から、こうなって
しまって、公平に迷惑かけて、悪くて・・・
 「公平・・・ごめん・・・ね」
 うつむいて、小さな声で呟いている。
 まだ、公平に掴まれた腕の感触が残って
痛かった。
 少しだけ空気がかわっていった。
 「おととい・・・」
 公平がおもむろに、おとといの話を始めた
 その言葉だけで、心臓の鼓動が2倍早くな
った。おとといと言えば、三島課長とのキス
を見られた日だ。