公平は、ネクタイを緩めて、パスタをぱく
ついていた。
 おいしそうに食べている姿は、無邪気で、
ここも学生の時の公平と同じだった。
 「公平、口のまわりについてるよ」
 公平は慌てて紙ナプキンで、子供みたいに
ゴシゴシ拭いたあと、私の顔を見て、
 「おまえもついてるぞ」
 笑っていう公平。ふたりで慌てている私達

 「ちょっとちょうだい」
 「あっおまっ」
 公平の横取りしちゃった。
 パスタの上にのかってた、メインのえび食
べたら、公平は、私の口に入るえびをせつな
い目で見ていた。

 店内に響くジャズのBGM控えめに、波の
音とBGMに雨が溶け込んで聞こえてくる。
 やがて、静かに心に触れた時