ションになっていた。
 お互いそのことについて、ふれなかった。
 今も公平の中に、あの日の遊園地は、存
在しているのだろうか?
 公平と2人きりで、食事なんてこの先ある
かどうかわからない。
 だったら、公平が普段好みそうな、ぜんぜ
んおしゃれじゃないお店よりは、高校の頃、
密かに公平と行きたいって願ってたおしゃれ
なお店がいい。
 「公平、居酒屋風はいやだからね」
 「おぅ」
 「わかってるの?」
 「あたりまえだろ」
 「だって、公平のセンスだと、居酒屋でと
りあえず生なんて、言ってそうだもん」
 「なんだそれ。人をおっさんみたいに言う
なよな」
 こんな、会話も昔と変わらないけど。
 ただ、レストラン街に続く、砂浜に作られ