きた。
なんだか、町田くんの言い方が、さっきと全
然違って、おかしかくて、今度は私が笑った
 「もうあの頃と違うって」
 私がそう答えると、町田くんは、淋しそう
な顔してた。
 
 初夏の潮風は、気持ちよくて、久しぶりに
晴れた夜の海は、穏やかだった。
 ぽつんと浮かぶ三日月が、赤くて、なんだ
か不気味に見えてしまったのは、これから始
る波瀾の幕開けのせい?
 なまぬるい風が、首にまとわりつてきた。