もう壁で、
 「何?」
 「だから、あの・・・」
 「だから、何だよ」
 すでに、抱きしめられていた。
 公平に預けてしまった体、緊張していてぎ
こちない。
 昔っから知ってる同級生って、よけいにこ
んな時、緊張してしまう。
 いろんなこと、わかり過ぎてるから。
 「美和、力抜けよ。おまえが固くなってど
うすんだよ」
 「何言ってんのよ。ばかぁ」
 ひとしきりベッドの上で、揉める私達は、
社会人になっても、あんまり昔と変わってな
くて、だけど、あの頃と変わらない気持ちで
好きだから、
 公平は、静かにベッドに私を押し倒した。
 私達は、こうなるまでに時間が、かかって
しまった。