頃のままの公平なら、すごく照れ屋なの
に相合傘の通勤なんて...
と思ったけど、私も遅刻してしまう。
 「美和、傘いいからもう着いてくんな
よ」
 公平は後ろを振り向いて私に言った。
 「何言ってんのよ。私の会社もこっちなん
だから」
 そう言って、私は公平達をさっさと追い越
して、前を歩いた。
 雨が目の前で、激しく舞っていた。
 キラキラ輝いて。


 私達3人は、雨の中お互いの会社を見上
げて、立ち尽くしていた。
 私に至っては、小さく溜息をついてしまっ
た。
 それもそのはず。なんと、公平の会社と私
の会社が、お隣同志だったからだ。