ビル越しに見詰め合う2人の間には、地上
の光の帯びが流れて、遠い宇宙の果てに浮
かぶ、まるで、天の川のように見えた。
 だけど、天の川は、もう2人の障害では、
なかった。
 空の上のラブストーリーがそうであるよう

 「町田くーん。今から香奈を町田くんの元
に送るからーっ」
 香奈と町田くんの物語が、これから始る。
 2人を見ながら、ふと気づくと、わたしの
頭の中で、無意識に繰り返し流れていた、メ
ロディー。
 ドリカムの未来予想図Ⅱ
 いつも決まって恋をすると、頭の片隅で、
流れてくる。
 あの前向きな歌詞が、大好きだった。
 なのに、実際は、せつなくて、もどかしく
て、それでも、大好きで・・・
 私、今、恋をしている。