「佐野主任、相田さんは、昨日オレと一緒
に、ホテルのラウンジにいましたよ。丁度、
高校の同窓会をしてたので。主任が、見た
のは、たまたま相田さんが課長を見つけて、
話してた時じゃないですか?オレも近くにい
ましたから、佐野主任も近くにいたなら、声
かけてくれればよかったのに」
 公平・・・
 かばってくれた
 私に注がれた冷ややかな視線は、解かれ
ていったけど、1番知られたくなかった人に
わかってしまった。
 公平は、佐野主任にそう言ったあと、私の
方少しも見ようとせず、席に戻っていった。
 その背中・・・
 怒ってるの?軽蔑してるの? 
 お昼休みのチャイムが鳴って、公平に話し
かける決心をしたのに
 「こう・・・」
 「前田くん、新商品開発の件で」