次の日、会社に、ギリギリに飛び込んで、
公平とも何もしゃべれないまま、仕事につい
た。
 ただ、気まずい空気だけが、2人の間を覆
っていた。
 「相田くん、相田くん」
 佐野主任の声だった
 「昨日見たよ。三島課長と相田くんが、ホ
テルの中に消えて行ったとこ。なんか、深刻
そうだったね。あんがい、三島課長が離婚し
たのって、相田くも関係あるんじゃないの?」
 佐野主任、わざとなの?
 今、三島課長は、打ち合せのために、席を
外していた。
 それに、これ見よがしに、大きい声で言っ
てくれるから、フロア中に響いた
 私は、何も言い返すこたが出来なくて、た
だ自分のしたことの重大さを、後悔するしか
なかった。