瞳も負けずに返した。
 「居場所がないなんて言わないで。福岡に
も、あんたの写真見たいって人たくさんいる
んだから。瞳のご両親だってきっと・・・だ
から、またここに帰ってきて」
 瞳が笑顔を見せた。
 まだ、幼かった私達は、あの頃お互いを、
誤解していたのかもしれない。
 「でも、どうして、あんたのこと選んだの
か、公平の感性疑うわ」
 そう言って悪戯っぽく笑ったあと、瞳は、
じゃあって背を向けた。
 「それって、どういう意味よ?」
 ムキになって言ったあと、思い出した。
 公平が私と瞳が似てるって、前に言ってた
・・・ような?
 遠ざかる背中に、慌ててさけんだ。
 「公平は、あの頃、瞳のこと本気で守ろう
としてたから。公平の気持ちは、うそじゃな
いよ。だから私、あきらめたんだから」