が愛人を作って両親が離婚。その後、母もす
ぐに再婚したから、もう実家にも・・・そし
て、とうとう今日、福岡にも居場所なくなっ
ちゃったんだ」
 最後の方は、溜息まじりに呟いた。
 瞳ってこんな人だったんだ・・・
 「明日、東京に帰るわ。もし東京にくるこ
とがあったら、私の個展でも見にきて。公平
と一緒に」
 いろんな思いが、重なって、噴出してきて
感情が押さえきれなくなって、子供のように
しゃくり上げながら、私は泣いてしまった。
 でも、本当の涙は、瞳の人間性に触れたこ
とだったのかもしれない。
 「あんたって、生意気だけど、いい人だっ
たのね。もっと意地悪で、とっつきにくいと
思ってた・・・」
 私は、しゃくりあげながら、結構きついこ
と瞳に言った。
 「あんたもね」