お互い、見詰め合った時、押さえていた公平
への想いが、一気に溢れ出した涙だった。
 今なら、はっきりわかる。
 もう何年も経ってるのに、昔と変わらず、
好きなこと実感した。
 もうこんなに好きになれる人は、公平だけ
かもしれない・・・そう思った。
 いつか見た夢。
 大切な落し物が、何だったのか、わかった
気がする。
 意地っ張りで、ガチガチになってた心が、
解けていった。
 こんな展開になるなんて、夢にも思ってな
くて
 「こうへいーうっうっうっ」
 泣きながら、今度は私が、公平の首に腕を
回した。
 泣き止むまで、何も言わず抱きしめてくれ
たやさしい夜は、空から星の雫が、いくつも
いくつも降ってきた。