「木下から聞いた」
 「香奈から?」
 「おまえホテルになんか行くな」
 「公平には、関係ないでしょ」
 ホントに仕事中、屋上であんなことしてい
る人には、関係ないことだよ。公平に背を向
けた。
 「おまえ、意味わかってんのか?」
 「あったりまえでしょ。真顔で言わないで
よ」
 あまりにも、間の抜けた質問に、かえって
顔が、熱くなってきた。
 「おまえ本気なのか?本気でこの世の中
で1番三島課長のことが好きなのか?」
 背を向けた私に、投げかけられた公平の言
葉。
 この前も公平に聞かれたっけ。
 ずっと私の心に引っかかってたのは、これ
かもしれない。
 なのに、そのことに触れること避けていた