前田くんを選ぶんなら、それはそれで、諦め
るよ」
 「公平のことは、何も関係ありません。勝
手に噂たてられてるけど・・・」
 三島課長に訴えた後で、頭の中で、カギの
意味するものが、だんだん明白になっていく
 顔が熱くなってきた。
 「みっ三島課長・・・」
 このカギの意味するものが、何度も何度も
心の中を駆け巡っていった。
 「考えてくれ」
 そう言うと、三島課長は会議室を先に、出
ていってしまった。
 私は放心状態で見送った。
 三島課長、私まだ決心がつきません
 三島課長のこと好きだから、迷うことなん
てないんだと思う。きっと・・・
 もう、仕事が手につかなかった。
 さっきからカギがぐるぐる頭の中で回って
いた。