たし、別居した時に、いずれこうなることは
決まっていたんだ。幸い子供もいないしね」
 よかった安心した。
 「離婚のこと、美和ちゃんに真っ先に知ら
せようと思ったのに、なんか噂が先行してし
まったみたいで、びっくりしただろ」
 「あっはい・・・」
 「美和ちゃん」
 今度は、三島課長が神妙な顔付きで、私
を見ている。
 私は、何っていうような顔で、彼を見つめ
た。
 「改めて言うよ。僕達は、もう何の障害も
ない。ボクと付合う気があるなら、今日ここ
に来てくれないか?」
 そう言って三島課長は、外資系ホテルの
部屋のカードキーをテーブルの上に置いて、
私に差し出した。
 「えっ?」
 「少し強引なやり方だけど、美和ちゃんが
前田くんを選ぶんなら、それはそれで、諦め
るよ」