三島課長は、噂など気にせず、堂々としゃ
べっていた。
 そのしなやかなしゃべりには、みんな引き
つける何かがあるようで、やっぱり彼の存在
は大きい。
 朝礼で、三島課長は、新商品開発が起動
にのったことを説明した。
 これは、正直嬉しかった。別に、今まで、
愛社精神がなかったわけでもないけれど、
今回のことは、ライバル会社に流れないよう
に私もこっそりがんばったからだ。
 朝礼の後、三島課長に会議室に呼ばれた
 あのキスから、顔を合わすのは、初めてだ
った。 
 緊張してる、ドキドキで、そのドキドキの
意味考えると、一層心臓が早くなっていた。
 なのに、うつむいた顔思いっきってあげて
みたら、そこに三島課長のやさしい笑顔があ
って更にドキドキした。
 「美和ちゃん、CDの件で、佐野主任に、