今、別に好きな人がいるんです」
 今は、大切な思い出・・・
 それでいい。
 なんかすっきりした。
 静かに時を刻む時計。
 森田さんは、ゆっくりコーヒーカップをテ
ーブルに置いた。
 「私は、前田くんのことが好きよ。彼にも
伝えようと思ってる」
 「えっ?」
 微かに早くなる心臓の鼓動
 「だから邪魔しないで」
 「邪魔なんてしません」
 彼女は、小細工なしに正直だった。
 「ありがとう、話せてよかったわ」
 そう言って立ちあがった森田さんに、私は
微笑むことさえ出来なかった。
 公平は、森田さんを選ぶ。そんな気がする
 それに、公平は、モテる。他にも公平に想
いを寄せてる子はいる。