てるの?」
 紅茶を丁度口に含んだところだった
 すごくストレートに聞いてくるので、口か
ら紅茶がこぼれそうになった。もちろん公平
のこととは、予想していたけれど、あまりに
も唐突で、動揺を隠せない。
 「あの・・・噂は気にしないで下さい」
 やっとの思いで答える私に、向けられた彼
女の気迫に迫ったような視線も、痛かった。
 だけど、余計なことはしゃべらずに、核心
をついてくる彼女には、正直に答えなければ
ならない。そんな気がする。
 その目に、瞳を写しながら、そう思った。
 視線を、ゆっくり森田さんへ向けてみた。
 心に転がるいろんな思い。
 「私、小中高と公平と・・・前田さんと一
緒で、それは、腐れ縁のような物だったけど
あの頃のこと思い出すと、いつもあいつの姿
があって、ふざけたり、怒ったり、笑ったり
してて、気がつけば、あいつを好きになって