相変わらず、微妙な距離のまま、やっと会
話がはじまった。
 

 15時を回って給湯室で紅茶を入れていた
ら、不意に森田さんが入ってきた。
 飲み物は、個人個人のセルフサービスに、
なっていて、飲みたい時に自由にのんでいい
のだけど、森田さんは、大抵自販機の方へ行
くのだ。
 なのに今日は、どうしたんだろう?
 なにか訳がありそうで、頭の中で、あれこ
れ考えていたら
 「相田さん、少し話があるの。今大丈夫?」
 森田さんは、コーヒーをカップに注ぎなが
らそう言ってきた。
 やっぱり・・・ついでに話の内容も想像が
ついてしまった。
 「はい、大丈夫です」
 ミルクを落としている森田さんの指先は、