公平がいた。
 私は、こんなにも、素直に心の内を言える
ルミちゃんがうらやましかった。
 反対方向のルミちゃんをタクシーに乗せた
後、私と公平は中洲を後にした。
 飲みこまれそうなくらい、迫力のあるネオ
ンが背中越しに輝いている。
 いろんなことがあったけど、とりあえず、
すごく公平にお金つかわせたり、迷惑かけた
りしたから、ここはひとつルミちゃんを見習
って素直な気持ちを・・・
 「公平、今日は・・・」
 「三島課長とか、おまえのためにCD取り
返したんじゃないから」
 私の声をさえぎって、公平がそっけなく言
った。
 うーっ、かわいくない。何、その言い方
 「そんなことわかってるわよ」
 すぐさま公平に背を向けた。
 そんなに、はっきり言わなくても・・・