「田中さん、大丈夫そう?」

そう言って保健室に入って来たのは看護の先生だった。この女の先生は私が入学する前からこの学校にいるベテランの看護の先生だった。
身体の弱い私はよく、この先生にお世話になっていた。

カーテンを開けて入ってきた先生に有希は身体を起こしながら
「はい、大丈夫です」
と言った。

「そう、最近疲れてるでしょ?顔色悪いみたいだし」

そう言われて思い当たる原因は大嫌いなあの女性教師だ。もちろん、そんなこと言えるはずがない。
「いつものことですから…本当に大丈夫です」

なんて私はごまかした。
すると先生は心配しながらも”そう?”と言っていた。