「本心じゃないよな?」


「本心だよ、嘘じゃない。あたし嘘ついたことないから。」


これが初めての嘘。
悲しい嘘。

全然本心じゃない、今も大好き。
好きで好きで仕方ないよ。
ずっと好きだよ。


「李心…」


付き合ってから名前を呼んでもらったのは少なかった。

こういう時に名前で呼ばないでよ……


「じゃあね、逢坂くん。」


手を振りほどいて、走って逃げた。


笑えてたよね、最後まで。


もう泣いていいよね。