「...來輝」




子供は二人とも無事らしい。


でも、肝心の愛優が...


「愛優ちゃんの近くに行ってやれよ」


「でも...」


「少しでも愛優ちゃんを安心させてやれよ!

壁ぐらい挟んだって距離は変わんねぇだろうが!!」



病院だから來輝はあまり

大きな声では言わなかった。



「...わかってる。

でも、愛優が...もし愛優がいなくなったらって
考えたら...怖いんだよ」



瞳からツーッと涙が頬を伝う。

こんなに泣いたのは初めてだ。