俺には愛優しかいないんだ。 俺は...俺は... 「バカみたいに愛優に惚れてんだよ...っ」 自分でもわけわかんねぇぐらい 愛優しか見えない。 こんな気持ちになるのも愛優だけ───。 もう元には戻れねぇんだよ。 ――オギャア、オギャア 分娩室から、赤ん坊の泣き声がして 俺は立ち上がった。 「翔琉...赤ん坊は産まれた。 でも愛優ちゃんは...まだ意識不明らしい」 そこに突っ立っていたのは來輝だった。