――...翔琉へ
この手紙を読んでるって事は、
私は今、大変なことになってるんだね。
ごめんね、心配かけて...。
帝王切開したくないっていう
我儘なんて言って困らせてごめんなさい。
でもね、私は生まれてきた子どもたちに
『ママはあなた達を自分のお腹を痛めて産んだんだよ』
そう言いたかったんだ。
でも、この手紙を見てるって事は、
結局は帝王切開になっちゃってるのかな?
私は母親に愛されて育たなかったし施設育ちだから
正直、立派な母親になれるか不安でいっぱい
こんなグシャグシャな家庭環境を
子供にいつか話すのもホントはイヤ。
でもね、翔琉と出会えたから、
それだけで私は人生得してると思うんだ。
世界で一番私が幸せなんじゃないかなって思うぐらい。
そんな翔琉との子供を
私は命懸けで産めて嬉しいよ。
翔琉はいつも俺様で
嫉妬深くて独占欲がすごくて...
でも、それは裏返せば
私をすごい好きな証拠でしょ?
いつもは意地悪なくせに優しくしたり
ほんとに...呆れちゃうよ。
でも、そんな翔琉だから...
私は好きになったんだと思う。