「翔琉...。愛優ちゃんは?」
心配そうに俺を見つめる來輝
「母子とも危険な状態らしい.....」
俺がそういうと來輝は更に顔を曇らせた。
俺は大事なものを全部失ってしまうのか?
そんな不安にかられていると...
「あぁ、なんか思い出すよ」
來輝が懐かしそうに遠くを見つめて
いきなりそんなことを言った。
...何を思い出すんだ?
「翔琉がヤクザに撃たれたときのこと...」
しんみりとそういった來輝は
心の中では色々なことを思っているのだろう。
愛優を守って自分が撃たれたときのことか...
あの時、
『翔琉が死んだら私のこと守れないよ?』
愛優のそんな声が聞こえて
“愛優を一人にしてはいけない。
俺が守ってやらなきゃ...”
そう思って目が覚めたんだ。
“ 愛 ”って不思議なもんだよな。