「うぅ...っ、ごめんね。捨てるから...っ」




ついには泣き出してしまった愛優


愛優と出会った時もコイツ泣いてたな...



「なにこれ...」


部屋を見渡すと、


“Happy Birthday 翔琉”


そう書かれた手作りケーキに


“おめでとう!”

という文字が吊るされ、飾り付けされた部屋


机に並んでる料理だって、
全部俺が好きなものばかりだった。



「ごめんね、

今日翔琉の誕生日だったから張り切っちゃって...バカだよね。」



泣きながらそういった愛優を抱きしめた。



「...はぁ、なんでこんなに可愛いかな」


なんで...?

なんで浮気なんかしてるくせにさ

こんなにも俺の誕生日祝ってくれんの?



「こんなのされたらさ、期待するから」


もう愛優は俺のものじゃないのに


「期待?」




「愛優は他の奴が好きなのにさ」


「何の話してるの?」


愛優はまったく意味がわからない

とでもいった様子。


「俺、見たんだよな。
愛優があのバイトのやつと楽しそうに話してんの」



「翔琉。勘違いしてるよ?

志田くんとは確かに話してたけど
それは志田くんに告白されて...
私は翔琉が好きって断ったの...!!」



「私が好きなのは翔琉だけだよ...っ。」