とある公園にて───
夜中私はとある公園に訪れた。
この公園は思い出の場所だった。本来なら夜中に出掛けたら怒られるのだが、一昨日から五日間かけて両親は旅行に出掛けたので誰にも邪魔はされないのである。その公園の中央のドームの中を私は覗いた。そこには誰もいなかった。
この時間帯なら当たり前かも知れない。
でも来てしまうのだ......ここはあの人との出会いの場所だから────
私が4年生のときの8月、私の親は夜中にはいなかった。二人とも働いていたからだと聞かされてる。
私には姉と妹、弟と末妹がいる。
そのため時々一人になりたくなる。その日は公園に訪れた。そして公園の中央のドームの中に入ろうとしたらそこにはもう一人いた。そこにいたのは体育座りをした男の子だった。年は同じくらいか、それより下に見える。あくまで外見の話だが.....
エネ「......誰?」
夜中出掛ける勇気があっても、お化けに勝てる自信はない。ちゃんと人間であることを確認したかったのだ。
???「 星野....卯津樹......」
ここで私は人間だと何故か判断した。
エネ「うちは佐藤エネっていうの。一緒に入っていい?」
卯津樹「うん、どうぞ.....」
そういいながら卯津樹はスペースを空けてくれた。が
卯津樹「僕なんかでいいならだけどね.....」
とよくわからないことを言った。でも私は気にせず隣に座った。
エネ「卯津樹君て髪の毛の色薄いねぇ、染めたの?それとも外人さん?」
暗くてあまり見えないが、卯津樹君の髪の毛の色はクリーム色、それかもっと白に近い色をしていた。瞳の色は長い前髪で見えなかったけども、そして何より細い。ちゃんの食べているのか心配になるくらいに。
卯津樹「僕......病気なんだ。」
エネ「え?そうなの?」
卯津樹「うん、髪の毛の色や肌の色とかがおかしくなるの」
エネ「え?卯津樹君もそれなの?」
卯津樹「そう、太陽の日差しを浴びるとダメな病気だから学校にもいけないの」
病気とは色んなものがあるんだなぁと私はそのとき思った。
エネ「でも学校には行きたくないなぁ、うちは皆によくバカにされるしここきて間もないからお友達いないし....その方がうちはいいかな.....」
卯津樹「そっか、僕は学校行きたくても行けないや、それに行けても皆僕みたいな化物なんかと一緒にいたいなんて絶対思わないよ....」
エネ「なんで?卯津樹君はとってもきれいなのに?」
卯津樹「それは、え......と...」
エネ「エネでいいよ」
卯津樹「うん、多分エネはそう思っても他の人たちは気持ち悪いって思うんだ。」
そういうものなのかな?と私は思った。こんなに綺麗なのになんでまわりはこの子を気持ち悪いって思うのだろう?
エネ「ねぇねぇそれって誰かに「気持ち悪い」って言われたの?」
卯津樹「.................うん」
エネ「何それ!?ひどいよ!!!!」
元々そういったのを許せなかった私はその発言で彼に「気持ち悪い」と言った者に腹を立てた。
卯津樹「しーー!!!!!!!」
エネ「あ、ごめんね....」
卯津樹「ううん、でも嬉しかったよ...」
彼は微笑みながら言ったそのとき前髪で隠れてた瞳が見えた。暗くてよく見えない
けれど彼の月の光に照らされた瞳は赤みのあるオレンジ色だった。
エネ「きれい.......」
私はその瞳の色がとても美しいと思った。
卯津樹「.....え?」
エネ「ん?どしたの?」
その時私が無意識に発した一言に彼は驚いたのだが、私はてっきり変なことをいってしまったのかと思ったのだった。彼は首を横に降りながら「ううん、なんでもない」と言った。
卯津樹「なんかこんなに人と話したのははじめてかも.....僕超能力者だから誰も話しかけてこないし....」
エネ「え!?超能力者なの!?」
その時彼は自分で言ってしまったことにやってしまったと思った。そう思うのも無理はない。この世界では超能力者がいる。といっても数は少なく、
生まれつき持つものや、突然超能力に目覚めるものもいる。
科学者にとってそれは未知のものだった。
でも世界は彼らを受け入れる気はなかった。超能力者だとわかればすぐに処刑される国もあれば戦争用の道具に使うこともある。だが超能力は人それぞれで違うのだ。
人の心を読む力や、瞬間移動、テレパシーやサイコキネシス等多数存在する。それらを国に利用される人たちがいる。でも日本はそういったのはなく、どちらかというと超能力はどのようにして生まれたのかとかを考え、超能力の研究が行われていた。だが超能力をもった彼らを差別するものがいるのも確かだった。
「超能力者は化物だ」「人間じゃない」等というもの達が多く存在した。
卯津樹はそれを恐れていた。折角できた話し相手に嫌われてしまうと思ったら泣きそうだったが────
エネ「いいなぁ~エネも超能力者になりたいなぁ」
卯津樹「!?....ならない方がいいよ!皆に嫌われて、一人になるんだよ!?エネはそれでもいいの!?」
エネ「でもママやパパのお手伝いができるならいいかなって思うなぁ、」
卯津樹「.......え?」
エネ「ねぇ、卯津樹君大丈夫?」
急に黙りこんだから心配したらしい
卯津樹「......エネは僕なんかと話しててもいいの?」
エネ「え?なんで?卯津樹君は友達でしょ?」
卯津樹「え?.....とも....だ...ち....?」
そう、聞き返すとエネは微笑みながら大きく頷いた。
エネ「うん!卯津樹君は私のお友達だよ!!」
卯津樹「........」
何故か彼は顔を下に向けてしまった。私はそっと覗こうとしたが
卯津樹「......ぅ........ひっく.......」
エネ「!!!!?!?ご、ごめんね!!嫌だったよね!!!」
泣かしてしまったと思い少し焦るが彼は首を横に降り
卯津樹「.......違くて、ね.......ひっく.......嫌われちゃうかと思った、から.......」
彼は単純に嫌われたくなかったのだ。それを知りエネは「大丈夫!!!」と言えば、彼はエネの方をみる。
エネ「私絶っっ対卯津樹君を嫌いにはならないよ!!!!」
卯津樹「ほ、ほんとうに.........?」
エネ「うん!!!!!!ずっとお友達だよ!!!!」
そう言いながらエネは右手の小指を彼の方に向けた。
エネ「右手の約束!ね?」
彼はゆっくり自信の小指を彼女の小指に絡ませた。
エネ「指切りげんまん嘘ついたらえ~~とね.....」
卯津樹「....!唐辛子百本飲~~ます!!!」
エネ「唐辛子って辛くない?」
卯津樹「僕唐辛子嫌いだから...」
二人は笑いあった。そして話した。聞けば彼は私と同じ4年生だった。
とても楽しかった。
それはお互いにとって幸せな時間だった。
だけど終わりはくるものだ
エネ「あ、もう帰らないと......」
そう言い立ち上がる
卯津樹「帰っちゃうの?」
エネ「うん.......」
卯津樹「また会える?」
エネ「うん!卯津樹君はまだ帰らないの?」
卯津樹「うん、迎えがくるからそれまでかこにいなきゃいけないから.....」
エネ「じゃあうちも.....」
そう言うと彼は
卯津樹「ダメだよ、家族を心配しせちゃあさ」
エネ「でも......」
卯津樹「僕は大丈夫だよ、」
エネ「うん、わかった。じゃあ、またね...」
卯津樹「うん、また....ここで会おうね....」
エネ「うん!必ず、会おうね」
何故か私はもう会えない気がして不安だった。
私は家に帰った。
それから二ヶ月経っても彼に会うことは出来なかった。
そして10月、あの悲劇が始まった───