「好きです。付き合ってください‼」


今月で何人目だろう。
目の前には瞳を潤ませ上目遣いで見上げる可愛い女の子。
放課後の屋上で夕日に照らされた彼女の顔は見覚えがある。

100万年に1人の美少女が入ってきたとクラスの男子が騒いでいたのと、親友の一喜(カズキ)がさして興味を示さない私を無理やり引っ張って教室まで見に行ったから。

1年生の廊下には彼女を一目見ようと私達2年生と3年生が群がっていたっけ。


普通の男子高校生なら、飛び上がって喜びそうなシチュエーションだが、私にはいまいち喜べない理由がある。



「ごめんね。」


「お互いの事何も知らないのにこんなこと言うのはおかしいと思ったんですけど・・・わたしっ‼」


「女なんだ。」


「え?」


最後まで聞く前に遮(サエギ)り言った言葉に、パチクリと瞬きを繰り返す美少女。
やっぱり知らなかったか。


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