ガタンゴトン、ガタンゴトン。

ひな君の家は私の家まで約1時間。

電車で言うと五駅ぐらい離れている。

私は、電車に揺られながら。

ひな君に、最後に言われたことを思い出していた。

「「さようなら……。」」

ひな君の悲しい声がこだまする。

泣きそうなんだけど必死で我慢してて。

まだ、耳に響いている。

さようならって言わないでよ……。

ひな君……。

こんなことになるならちゃんと大好きって言えばよかった。

もっと、ひな君の話を聞いてあげればよかった。

「「紅葉駅、紅葉駅です。」」

……もう着いたんだ。

私はふらっと立ち上がり駅を降りた。

駅からは意外と近くて、歩いて10分ぐらい。

思い出したくもないのにひな君の家に初めてお邪魔したことを思い出してしまった。

……あの時は、私異常に緊張してたよね。

ひな君の家に着くまでに何回も帰るって言ったっけ。

その度にひな君は焦って……。

………………。

思い出すと、辛くて辛くて。

出したくもないのに涙が沢山出てくる。

止まってよ……。

こんな道端で泣くなんて恥ずかしいじゃんか。

涙を引っ込めたいけどゆうことを聞かない。

等々私は耐えきれなくなって座り込んでしまった。

ひな君……。

ひな君がいなきゃ私ダメだよ……。