プルル、プルル。

大丈夫だよね?

嘘だよ、って笑ってくれるよね?

私は、ただただ。

怖くて怖くて。

すがり付くように電話していた。

ガチャ。

「「……もしもし。」」

……ひな君のお姉さん。

いつもは元気な声なのに今の声はぼそぼそ声で今にも倒れそうな感じがする。

「……お姉さん?ひな君はそちらにいますか?」

……いるよって言って。

ひな君、笑って。

「「………………。ぅぅ、ヒク……。ゆうちゃん……。」」

………………………………。

「「ひなはね。ひなは……!!ひなは……。ゔゔ……。」」

お姉さんが最後まで言わなくても分かっていた。

ひな君は……。

「「ひなは、数分前に亡くなった……。」」

……聞きたくなかった言葉。

信じたくなかった。

いつもと変わらず元気な声でおはよう!って言ってくれると思ってた。

なんで、なんで……。

ひな君、死んじゃったの?

「お姉さん……。とりあえず、そちらに行ってもいいですか?」

「「え……でも。今日学校あるでしょ?」」

そんなの行ってられない。

学校よりもひな君が大事。

それに、ひな君との約束があるし。

「ひな君に頼まれてることがあるので。」

「「……!!ひなに……??」」

「…………はい。」

「「……分かった。気をつけてきてね。」」

ガチャ。

私は、とりあえず私服に着替えてひな君の家に向かうことにした。

家族には早めに学校に行くって嘘を言ってから……。