「ねえ、ひな君。今日、何かあった?」

そう、私が言うと一瞬沈黙になった。

「……何も、ないよ?どうしたの?」

「いつもと違うし、寂しそうだから。」

「なんで……。今なのかな……。」

「??どうゆうこと?」

今?前にもたったってこと?

「んーん、何にもない。僕は大丈夫だよ!!」

突然、いつものひな君に戻った。

今までのはなんだったんだろう?

見たことない、ひな君の1面。

聞きたいけど、聞いたら怒る……かな??

もう……前みたいな思いはしたくないし……。

「……そっか。大丈夫か笑もし、辛いことあったら相談してね!」

「うん。ありがとう。」

一瞬、悲しい顔を見せたと思ったらすぐにいつもの顔に戻った。

……ひな君、今日はいつもと違うな。

「あ、ゆうちゃんの家だよ。」

……もっと、聞きたい。

ひな君のこと。

なんで、今日は悲しい顔を見せるの?

なんで、寂しそうなの?

「ひな君……。」

「……ん?どうしたの?ゆうちゃん。」

「……なんにも、ないよ。」

気にはなるけど……。

ひな君には嫌われたくない……。

「じゃあね、ひな君!また明日!」

「うん、じゃあね。ゆうちゃん、体調には気をつけて。」

「大丈夫だよ。」

「うん。じゃあね。」

「また明日。」

「うん。」

いつも言うまた明日を言わない。

いつも言わないことを言う。

気にはなるけど……。

いやだったけど私は家へ入ろうとした。

そして、玄関前まで来て振り返ると……。

いつもいるはずのひな君がいなかった。

いつもなら笑顔で手を振るのに……。

寂しい思いともやもやの気持ちをもったまま、私は家に入った。